
山仲間と中央アルプスの将棋頭山に突き上げる小黒川本谷を登ってきました。





パートナーに続いて登り始めますが、岩が濡れている上、非常に脆く2段目を5mほど登ったところで保持していたガバが崩落。近くにあるホールドはビショ濡れのスローパーと3級くらいのカチのみです。落ちてはいけない高さなので進むべきか悩みますが、この先もホールドが悪いと事故を起こしかねないのでパートナーにフィックスロープをお願いしました。ところが、なかなか時間がかかります笑 滝の音でまともにコミュニケーションも取れない中、どうやら懸垂をする様子。つま先立ち+悪いホールドをずっと持っているのですぐにでもロープが欲しい、でもロープが来ないという悪魔の時間。濡れたスローパーと悪いカチで5m下の棚へクライムダウンを考えますが、滝の2段目なのでヘタをすれば10mほど落ちます。懸垂を試みているパートナーもロープが足りないので下までは下りられない様子。パンプして墜落する自分が頭をよぎります。最悪ですが、クライムダウンすることにしました。ホールドも足も滑りやすく、多分1つでもすっぽ抜けたらバランスを崩して下まで落ちます。ですが、他に手段が無いので左手のびしょびしょのスローパー・右手のカチを信じて思い切って腰を落とします。足を下に伸ばし、フリクションを確認して慎重にホールドを確認して手を持ち替えて、という動きをどれくらい時間かけてやったことか笑 今までで一番怖いクライムダウンでした。パートナーは登り返して別の支点から懸垂してきました。どうやら上も悪いので来ないでと叫んでいた様子。1時間30分ほどロスしましたが、お互い怪我無く降りられてホッとしました。必ず正規ルートを通りましょう笑

次の滝へ。もう脱線はしません笑



沢が次第に細くなってきました。この沢は2500mくらいまで水があるので最後まで涼しく登れます。


初級の沢ですが、ルートの取り方によって十分危険になるということを今回痛感しました。カムとハーケンは持っていましたが、岩がもろければ意味がありません。幸いビビりなのであの場所で引き返せましたが、突き進んでいたら事故を起こしていたかもしれません。昔、山を教えてくれた先輩が恐怖心がない奴と一緒に山には行けないと言っていたのを思い出し、たとえ自分の技術が高くなったとしても常に恐怖心は持っていないとなと改めて実感しました。
急斜面の高巻きで悪いところはありますが、正規ルート通りなら快適に登れて景色も楽しめる良い沢だと思います。猛暑の中、水浴びしながら登れて最高でした。やはり暑い時期は沢ですね。
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