蓼科山は、八ヶ岳北端に位置する、標高2,531mの独立峰です。円錐形に近い整った山容から「諏訪富士」とも呼ばれ、八ヶ岳火山群の中でも比較的新しい火山体の一つとされています。
山体は主に安山岩質の溶岩や火砕物からなり、山頂部には大きな岩塊が広がる独特の景観が見られます。これは火山活動によって形成された溶岩ドームや噴出物が風化・崩壊したものです。八ヶ岳の中でも、火山地形を視覚的に感じやすい山と言えるでしょう。
登山道は亜高山帯の針葉樹林から始まります。シラビソやコメツガを中心とした森を抜けると、次第に森林限界へと近づき、やがて視界が開けます。森から岩の世界へと環境が大きく変わる過程を体感できるのが、この山の大きな魅力です。
山頂は広大な岩塊帯となっており、360度の展望が広がります。天候が良ければ、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、そして八ヶ岳連峰の山並みを一望できます。樹林帯中心の北八ヶ岳とは対照的に、「登った」という実感を強く味わえる山です。